Hatena::Groupkulibrarians

勉強会の予定・記録

 | 

2003-07-31

第47回 佛教大学における漢籍整理の現状と課題

21:51 | はてなブックマーク - 第47回 佛教大学における漢籍整理の現状と課題 - 勉強会の予定・記録

日時

2003年7月31日(木)

会場

附属図書館3階研究開発室

発表者

脇阪暁(佛教大学図書館)

参加者

飯田、江上、藤原、天野、高城、土山、原竹、進藤、大西、奥野、上山、

岡本、呑海、赤澤、楠見、大橋


資料

  • レジュメ



今回のまとめ

全国漢籍データベース協議会のホームページでは、全国の大学および国公私立の図書館約600館に対して行われたアンケート結果が公表されています(計208の図書館から回答)。漢籍目録がない(無回答を含む)と答えた121館は、今後の目録の作成予定もない。

また、所蔵漢籍のデータベースが無い173館のうち126館は今後のデータベース作成予定もない。さらに漢籍のNCへの入力をしていない所は139館となっています。これらをあわせて考えると、必ずしも断定できるわけではないですが、未整理の状態の漢籍を所蔵する図書館が少なくはないということがみてとれます。一方で、漢籍目録・カード目録があり所蔵データベースを作成(予定)する、あるいはNCへの入力を進める図書館も少ないとはいえ存在していますから、前者と後者で二分されたような状況なのではないでしょうか。

 私は漢籍整理に直接携わっているわけではありませんが、京大人文研などは漢籍のほとんどが既に整理がなされた状態のものが多く、佛教大学のように漢籍の整理が実際に進められている状況をうかがえたのは非常に興味深いものでした。漢籍講習会で漢籍の目録をとる練習をしたことがありますので、ダンボールに詰め込まれた死蔵状態から漢籍を分類し、データシート(書名・巻数、撰者、出版事項、分類)を作成して漢籍にはさみこんで配架(閉架)し、利用に供するまでの労力は甚大なものであろうと思います。そこから実際に漢籍を整理することによって(1)資料区分の揺れ、(2)和刻本を漢籍に分類することについての問題、(3)データ入力の問題、が新たな問題点として生じてきたとのことでした。(1)は分類するということに常につきまとう問題ではありますが、(2)と(3)は密接に絡み合う問題であると私は思います。

 つまり、漢籍に限ったことではないですが、ある図書にたとえ分類を2種類つけたとしても実際の配架場所は原則として一箇所のみであり、そのことによって利用者がその図書にたどりつけないというような状況をできるだけ少なくするのがデータベース(OPAC)の大きな役割のひとつではないかと思います。和刻本が開架かどうかを脇阪さんにうかがうのを忘れておりましたが、片方が閉架でもう片方が開架になっているような場合は特に効力を発揮するのではないでしょうか。また図書館に直接来館していない利用者が佛教大学の図書館が所蔵する漢籍を調べるためにも何らかの形で所蔵データを公開することは非常に有効と思われます。漢籍講習会で「日本に所蔵される漢籍は実用品としてつくられたものが多い」というようなお話をうかがいましたが、学術的・文化的・学問的に非常に貴重な価値を有す一部の善本などを除いて、漢籍を少なくとも図書館資料として「実用」的なものにしていくことが、資料と利用者を結びつける役割を担う図書館にとって必要だと思います。現代において漢籍をいちから整理した一つのモデルケースとして「佛教大学における漢籍整理の現状と課題(続)」をまたぜひお聞きしたいと感じました。

 補足:勉強会では四部分類について質問が盛んにでていたようですが、ごく最近、白帝社から漢字情報研究センターの井波陵一教授の書かれた『知の座標―中国目録学』という本が出版されました。実はこの本は、漢籍担当職員講習会の参加者に配布されるテキスト『中国目録学 : 四部分類法について : 漢籍担当職員講習会(初級)を受講する前に』とほぼ同じ内容になっており、中国目録學と四部分類について詳細に説明がなされていますので、紹介しておきます。


大西賢人(京都大学人文科学研究所附属漢字情報研究センター)

 |